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引退ブログ#14 能津竣一



お世話になっております。87代スナイプクルーの能津です。引退してから2か月がたち、学生の残り時間の少なさを実感しています。最近はずっとバイトをしています。ヨット部もこれくらい忙しかったな、と懐かしく思う日々です。

僕は学費や生活費を自分で払っていたのでずっと貧乏だったのですが、引退してから改めて計算すると使えるお金が意外と残っていることに気づきました。せっかくだしやりたいことを全部やろうとしています。旅行や資格・免許、やりたかった趣味とか、行きたい人とご飯行くとかですね。

近況はさておき引退ブログのテーマですが、総合3位という87代の目標は達成してしまったし、僕もレースメンバーとして前を走れたので、自分自身の後悔はほとんどありません。なので引退してしばらく経ちますが、今の自分の気持ちを率直に述べたいと思います。


この1年本当に楽しかった。僕の場合はそれに尽きます。

代交代式でも話しましたが、僕はヨットに真剣になり切れないことがコンプレックスでした。ハマるとのめり込むタイプの僕はヨットに夢中になるために入部しましたが、途中で没頭することができない自分に気づきました。いつか夢中になれるだろうと高をくくっていましたが結局そうはならなかった。目標を無理やり作ってみてもダメで、自主練に行く腰は重いし、文句いいながらも楽しそうに乗る先輩や同期のようにはなれそうにないし、普通にお金やばいし、続ける意味薄いよなぁって思いながら3年くらい続けていました。


「ヨットに真剣になりきれないことが分かっていながら、なぜ続けようと思うのか」

と人に聞かれたことがあります。代交代を迎えた3年の冬に、辞めそうな後輩から相談を受けたときのことです。自分のやりたいこととの兼ね合いに悩む後輩に自分の話もしながら対応をしていたら、結果的に辞める後押しをしてしまいました。1年の頃辞めそうな同期の後押しをすることにかけては天才的だった私ですが、このときばかりは流石に応えた記憶があります。そのとき最後にそう聞かれました。


なぜ続けるのか。それは今後、同じような状況に自分が陥りそうだったからです。頭の中でやりたいことと、自分の感情が一致していない。やりたいのになんとなくやりたくない。そういう時に何を大事にするべきか決めかねている自分がいました。その答えを知りたいのだとその時彼に答えた気がします。


振り返ってみて、月並みですがあのとき辞めなくてよかったと思います。それはもう、結果がどうとかの話じゃなくて、態度として、続けると決めてよかったなと。入部当初思っていたような技術的に優れた選手にはなれませんでしたが、そういう環境の中で納得できる自分があって良かったなと思います。


もしかしたら後輩の中には、自分と似たような人もいるかもしれません。やる気で同期に負けてるかもとか、それがどんどん差になっていきそうだとか、もうこれ以上上手くなり方が分からないとか。解決法は人それぞれですが、僕の場合は自分の好きなことに全振りすることでなんとかなった、というのが今回の趣旨です。


僕は自分の自主練には行けなかったけど、楽しそうに乗る後輩を見るのは好きで、後輩の自主練には行けました。陸で周りの人と話すのも好きでした。最後の1年はそのために部活に行っていたようなものです。そういった自分の好きなことに専念していたら、最後の1年は楽しかったし、不思議と結果もついてきました。最後のインカレは自分にとって最後の青春だったなぁと思います。87代のチームは雰囲気が良くて、チームで勝つという雰囲気があって、沖メンバーも陸メンバーも頼りになる素晴らしいチームでした。悩んで続けてきたけど、最後にいい思い出が出来て良かった。特に亮太朗はありがとう。ひとつひとつのレースや練習が鮮明な思い出です。


以上で引退ブログを終わります。これからの京大ヨット部を応援しています。これまでありがとうございました。


京大ヨット部 87代

能津竣一


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